縦糸と横糸で紡ぐ二つの暮らし

設計趣旨

「その土地を読み、暮らしをつくる」設計士の視点

☆心休まる眺めを二つの暮らしに

この二世帯住宅のプロジェクトは土地選びから関わらせていただきました。
施主から土地購入のご相談を受け現地確認に行った際、そのお隣りの空き地がとても良い環境だったため
そちらをオススメして今回の計画が始まりました。
敷地は南、東方向に抜けており、特に東方向は1階、2階それぞれの高さからすばらしい眺望が期待できます。
この眺望を親世帯、子世帯それぞれどのように暮らしに取り込むかが設計する上で最重要課題でした。
また敷地のカタチがいわゆる旗竿地で、敷地延長部分が25mほどあったため、親世帯と子世帯の2台の車を
どのように駐車するかもポイントでした。

設計のポイント

  1. 限られた敷地面積の中で、2台の車の駐車スペースと転回するスペースを計画する
  2. 敷地の南側、東側に広がる豊かな景色をどのように暮らしに取り込むか
  3. 親世帯、子世帯がストレスなく暮らすことができるゾーニング
  4. 親世帯と子世帯の交流の場としてのアウトドアリビング(施主のご要望)をどのように計画するか

今回の計画では、まず2台分の駐車スペースと車の転回方法から検討を進めました。
駐車スペースを確保すると、残された敷地の形状から自ずと2世帯住宅の佇まいが見えてきて

Ⅰ.東方向の風景に正対する2階リビングの子世帯
Ⅱ.南方向の風景に正対する平屋の親世帯

という2つの切妻がL型に折り重なるプランにまとまりました。
恵まれた敷地環境により、伸びやかな2世帯住宅に仕上がりました。