設計趣旨

「その土地を読み、暮らしをつくる」設計士の視点

☆建物内部空間設計について

  • クライアントは、30代のご夫婦で、ご主人はテレワークと趣味の音楽を楽しむためのブース、奥様は、自宅で小規模なヨガ教室ができるようゆとりのあるリビング空間をご希望されていました。
  • ご主人のご希望されている空間は「音楽室」と名付けました。「音楽室」をどこに配置するかはかなり悩みましたが、リビングの一部となっているように感じられるように玄関とリビングに併設する位置にしました。
  • ヨガ教室など一般住宅よりも来客数が多いことが予想されるため、玄関とリビングの境界は曖昧な方がいいと考え、玄関を単独の空間ではなく「通り土間」にすることにしました。この通り土間が、リビングと音楽室をゆるやかに隔てつつ、全体でひとつの空間と感じられるよう計画しました。
  • 普段からモノを置かない広いリビング空間を居心地がいいと感じてもらえるように空間のプロポーション・サイズ感と、窓廻りの造作には細心の注意を払いました。

☆建物配置・外観について

  • この敷地は閑静な住宅地の中にあり、既存住宅を建て替えるカタチで計画されました。
  • 南、西側は道路となっているのですが、周囲を住宅に囲まれており、グランドレベルから見ると視線が抜けるのは現在月極駐車場となっている東側の隣地の方向だけでした。
  • しかし東側の駐車場にも後々は住宅が建築される可能性が高く、あまりこの駐車場側に開いたプランにするわけにはいきませんでした。
  • そこでこの計画では、既存の庭木をできるだけ残し、その庭木に目隠しになってもらい、室内からはこの庭木を眺められるような暮らしを提案することにしました。
  • 外観は、軒のないシンプルなデザインをご希望だったため、通りから見て圧迫感のない佇まいと、庭木と建物のバランスに配慮した設計としました。
「音楽室のある家」ビデオ映像